[“Shuren the Fire New Album “Collective Sounds Release tour in Kokura”]
■2016.7.23(sat) 22:00start @MEGAHERTZ
■Ticket(+1d order): ad/¥2000 dr/¥2500
■Guest: SHUREN the FIRE / FUMITAKE TAMURA (Bun)
■Dj: DILL / KISI / BUCHI / CAMPBELL
■Live: lee (asano+ryuhei) / JABU / BAG-EL × DJ 少林
■Vj: moairoq
●SHUREN the FIRE – Collective Sounds
Fumitake Tamura (Bun)が手掛けるセルフ・レーベル「TAMURA」から届けられた新作は、かのSHUREN the FIREの復活作。いや、もしかするとこの静かな衝撃を伴った作品を単なるカムバックと表現するのは相応しくないかもしれない。
なぜなら、この作品はSHUREN the FIREの過去の遍歴 — MIC JACK PRODUCTION、そしてThs Blue Herbとの共闘の歴史 — から解き放たれているだけでなく、彼自身の長年にわたる沈黙という時間の積層からも切り離されているからだ。
音楽という芸術を言葉で評論するという行為においてあまりにも多くの者が陥りやすいトラップは、比較と参照を座標軸に論拠を構成してしまうことだ。説明対象となる作品に対し、過去や現在にあまたある他の作品(その作家が過去に手掛けた作品、または他の作家が手掛けた作品)を引き合いに出し、対照化/対称化して論じることは実はあまりに簡単で、そこにはわかりやすい物語性が生まれやすい。表面上には、ごく真っ当に整ったテキストらしきものに見えてしまうのだ。また、その作家が過去に経てきた活動の痕跡を遡り、その時間の積層を任意に切り取ってその表層に位置する作品をバイオグラフィー的に説明することも容易い。だが、これらのアプローチはいずれもその作家がどのようにして作品と向き合ったかという境地を決して直観できていない。むしろ、作品の真相からその言葉だけが剥離していくことにもなりかねない。
作家が自由な創作に向かう時、そこには絶対的な現在があるだけだ。そこに過去に積み重なった時間という物語性や他者の創作物はおろか、過去の自分自身という存在すら参照されることはないはずだ。
全曲がインストで構成されたこのアルバムから陽炎のように立ちのぼるSHUREN the FIREの姿は、まさにそうした「いま、そこにある音」と向き合う作家然とした真伨さにみなぎっている。喧騒と静謐、構築と脱構築、緊張と弛緩、饒舌と寡黙、実存と本質・・・あらゆるエクストリームの狭間を行き来しながら、あえてレイヤーを最小限にとどめ、サウンドそのものの現象を直観しミニマルに提示した音の連続集合体。
●FUMITAKE TAMURA (DJ Bun) プロフィール:
その音楽性で世界中から高いリスペクトを集め、国内外のレーベルから作品のリリースを続けている国内屈指のアーティスト。音の隙間に浮かび上がるノイズにさえ音楽的な表情を与えてしまう音の構築は、2012年の「Bird」、そして2013年の「Minimalism」といったソロ・リリースを経てひときわ研ぎ澄まされ、音響の彫刻として目の前に立ち上がる。また、最新のBeatモードを軸としながら、その音楽は映像的と例えられ、自身のレーベル “TAMURA” からの作品のリリースだけでなく、ヘヴィーなビートを抱えてL.Aの伝説的パーティー Low End Theoryへの出演、LADublab, SonerSound Tokyo等でもLiveを行う。
web : http://www.fumitaketamura.com